投資戦略

株式相場の割安割高の判定方法・指標とは【長期投資の考え方】

当たり前のことではありますが、長期投資を前提に考えたとき、相場全体がより割安なタイミングで市場にINした方が、その後の利益は大きいです。

しかし、何をもって割安割高を判断するのか。

今回の記事では、その点について見ていきたいと思います。

あくまで相場全体の話です。個別株の割安・割高は別記事になります(この記事の最後でチョロっと触れてますが)。

割安割高を「考える前に」

相場状況を考える前に、一つだけ認識しておいた方が良い事実があります。

それは、

資本主義経済(半永久的な経済成長)を信奉する限り、
金融資産は現金で持つより株式で持った方が良い

ということです。

つまり、できることなら有り金全部を株に変えてしまうのが良いのですが、ナカナカそうもいきません。笑

その理由は、こんな感じでしょうか。

  • ひとつは、やはり局地的には経済の後退が発生するから
  • もうひとつは、損をしている状態や資産を減らしてしまう状況というのは精神的にツラいものがあるから

しかし、両方とも乗り越えなくてはいけない考え方です。

前者に関しては、例えばリーマンショックのときでも、株価は3年で全戻ししました。

一気に現金を全て株に変えることをオススメはしませんが、リーマンショック直前にそれをやったとしても3年で戻ったのです。

(※世界恐慌に関しては、この記事の一番下を参照)

そして後者に関しては、むしろ積極的に気持ち悪さを乗り越える勇気が必要です。

過度にやりすぎてしまうと日々の生活にも支障が出ると思うのでお勧めしませんが、少しプレッシャーを感じるくらいの額でないと、適切なリスクテイクしているとは言えないでしょう。

(例えば僕は、2017年初頭~前半にかけて仮想通貨を計500万円分購入しましたが、これはかなり良い緊張感がありました。当時は1BTC=10~30万円くらいでした)

投資額が増えると、多少のリセッションだったとしても資産減の絶対額が大きくなるので、気持ち的に落ち着きません。

しかし、ここを乗り越えねばならないのです。

「割安割高」という観点において、この気持ち悪さ(投資から離れたくなる気持ち)はどちらの局面で現れる感情でしょうか。

……実はどちらでも現れます。

株価が割高と思える状態で市場にINすると「すでに上がる余地は少ないんじゃないか」と感じますし、少しでも下がると「このまま落ちていくんじゃないか」と思ってしまいます。

しかし、それは割安の局面でも同じです。

割安というのは経済全体が沈んでいる状態ですから、基本的にしばらくは買えば買うだけ下がります。

なので、「まだ下がるんじゃないか」「二番底・三番底が来るんじゃないか」と恐れてしまい、結局いつまで経っても買えません。笑

つまり、何が言いたいのかというと、割安割高というのを「判定」するだけでは意味が無いということです。

判定結果を元にどういう考えで投資するか、が肝心なわけです。

経済全体で見て割安か割高かを判断する指標

以上ふまえて、それでもやっぱり指標を知りたい、と思うわけですが、今回は2つほど記載したいと思います。

(随時増やしていく予定です)

バフェット指数

こちらは超有名かつ算出が超簡単ですね。

バフェット指数 = 株式時価総額 ÷ GDP × 100

GDPに関しては名目GDPを用いますが、まぁ小難しい話はどうでも良いです。

要は、株価という実体のないものと実物経済のどっちが大きいか、ということに他なりません。

一般には100を超えると割高、と言われていますが、個人的にはあまり信用していません。

というのも、そもそも100を超えたことのある期間が少なすぎますし、

出典:https://nikkeiyosoku.com/

そのタイミングで売ったからといって、どれほどの効果があるか不透明だからです。

上の図を見てみると、確かにリーマンショックのタイミングは完璧ですが、リーマンブラザーズが破綻したのは、別にバフェット指標が100を超えたからではありません。

むしろ、「ああ、やっぱり100を超えたら危ないんだ」と思って、2012~3年頃に株を処理した人のその後は目も当てられません。

つまりここから読み取れるのは、「少なくとも100を下回っているのならどんどん買えばいいじゃん」ということだと思います。

ちなみにバフェット指数は、対象となる国を変えれば当然各国分出せますし、全世界で見ることも可能なので、色々と調べてみるのも良いと思います。

クレジットスプレッド

こちらは、発行体の信用力の差に伴う債券の利回りの差を表す概念です。

別に「何と何」の利回り差のことを指しても良いのですが、景況感を調べるために有効と思われるのが、「国債と社債」の比較です。

通常、国と一企業では信用力が違います。社債の方にリスクプレミアムが乗っている分、国債と社債には「クレジットスプレッド」が発生するのです。

たとえば、とある期間で償還される国債の利回りが1%、社債が3%であれば、クレジットスプレッドは(3-1=)2%となります。

そして、一般的に投資家は好況の時ほどリスクオン、不況のときほどリスクオフになりますから、

クレジットスプレッドが大きい

=国債の利回りが小さく社債の利回りが大きい

=国債が買われ社債が売られている

=投資家がリスクオフ

=株式は割安

クレジットスプレッドが小さい

=国債の利回りが大きく社債の利回りが小さい

=国債が売られ社債が買われている

=投資家がリスクオン

=株式は割高

というロジック(というか仮説)が成り立ちます。

この考え方に関しては、解りやすく説明しているブログがありましたので、詳細はそちらに譲ります。笑

しかし、この方のブログでも言われていますが、

自分で紹介しておいて何ですが、この指標は割高圏の時期に関しては、あまり精度が高い情報ではないです。

ということなんです。

バフェット指数もそうでしたが、全体の相場感を見る指標は、大体「割安局面でしか使えません。笑

なので、「急落のタイミングを当ててやる」とか、「ショートで一発ドカン!」というのはどうしても難易度は上がってしまいます。

常に拡大していく資本主義経済において、大原則はやっぱり買いで儲けましょう、ということだと、個人的には思います。

日経PBR

日経に限らず、どの国のどの株価指標でも使えますが、今回は分かりやすく日経平均の場合を。

PBRの説明は恐らく要らないと思いますが、本当にザックリ説明すると、

その会社の資産を全部売っ払っらったときの金額

会社の時価総額

の、どっちが大きいんだっけ?

という考え方です。

1.0を下回ると「即時会社を畳んで、その資産売却額を株主に配分した方がお得」なので割安と言われています。

(現実問題、こう上手くはいかないので、PBR1.0以下の会社も多数あります)

日経PBRはそれを「日経全体」に当てはめた考え方になります。

つまり、

日経を構成してる会社の資産を全部売ったときの金額

それらの会社の時価総額

の、どっちが大きいんだっけ?

という考え方です。

(厳密には構成比の問題などありますが、めんどくさいので無視です)

つまり、日経PBRが1.0を下回る状態というのは、極端に言うと「日本全体が即時会社を解散して、その資産を分けた方が儲かる」状態ですので、端的に言うと「あり得ないくらい割安」ということになります。

(本来、企業は価値を生み続けるわけですから、持っている資産以上の価値があるはずです)

この日経平均PBRですが、平成以降、1倍(1.0)を下回った時期は大きく分けて2回です。

1回が「リーマンショック後」、もう1回が「東日本大震災後」です。

コロナショックでも下回りました。

(2020年4月14日追記)

基本的に1.0を割る期間は長くありません。

(ただし「今のところ」です。日本株に成長性が無いと思われれば、数字は落ちていきます)

なお、各国、指数ごとに適正水準は異なります。

世界平均でも2倍くらいはありますし、アメリカに至っては3倍程度はあります(時期によって変動します)。

参考サイト:https://myindex.jp/global_per.php

こう見ると日本株は割安に放置されている、と見ることもできます。

そして、この日経PERも「割高局面の判定には不向き」です。

ここまで読んでいただければ分かるかと思いますが、割高という状態は、判定するだけならできますが、それがイコールで「即時ないし数年後の下落」とはならないのです。

むしろ、割高局面においては加速度的に株価が上がっていくこともあるので、市場にいないと機会損失が大きくなりすぎることもあります。

この事実は知っておいた方が良いでしょう。

割安割高を「考えた後に」

と、言うように。

「割安なら上がるから全力で買う」「割高ならどっちに振れる可能性もあるから、ある程度は買う」というのが、基本線です。

ただし、何を買っても派手に伸びる可能性の高い割安局面と違い、すでに割高であると思われる局面から、もし大きく儲けたいのであれば、個別株中心に攻める必要があります。

(といっても個別株は偏差が大きいので、相応のリスクがあるわけですが)

その場合に必要になってくるのが、その株が個別に高いか安いかを判断する目利き力です。

個別銘柄が割安か割高かを判断する方法

株式投資には「バリュー投資とグロース投資(割安株と成長株)」という考え方、分け方があります。

とある株式の現在価値を考えたとき、割安に放置されているものを探すのがバリュー投資

とある株式の将来価値を考えたとき、割安に放置されているものを探すのがグロース投資

です。

いずれにせよ、「自分なりに適正価格を考える」という作業が必要になってきます。

これに関しては、これだけでひとつの記事……というか1冊の本が書けるレベルのテーマなので、今日のところはひとつだけ。

こちらの記事にもありますが、

適正価格=1株当たり予想利益 × 想定PER

という考え方です。

PERとは「株価が、1株当たりの利益の何倍になっているか」を示す値です。

例えば、株価100円の企業の予想1株当たり利益が10円ならPERは10倍となります。

……まだ解りにくいですよね。笑

文系脳の僕としては「その会社の利益を〇年間続けると企業価値に追いつく」と考えると、すごく腑に落ちます。笑

つまり、PER10倍というのは「今の利益を10年繰り返せば、時価総額に追いつく」ということになります。

なのでPER50倍なら、「50年持たないと、利益合計が時価総額に追いつかない」ということになります。

それほどまでに時価総額が大きい(=株価が高い)わけですから、「PERは大きいと割高」「小さいと割安」というのが直感で解ると思います。

余談です。

日本でPERというと予想PER(予想1株益)であることが一般的ですが、欧米では実績PERが通例です。

大原則、経済というものは拡大していくので、予想PERの方が低めに出ます(=割安に見えます)。

日米で比較するときなど、一応知っておくに越したことはないでしょう。

さて、このPERですが、適正数値は業種や会社ごとになんとなく決まっています。

なので、話は「適正価格」に戻りますが、

適正価格=1株当たり予想利益 × 想定PER

ですので、

「1株益が例年10円だ、PERも例年10%だ。多分来年も変わらないぞ」という状況で、株価が100円を下回っていれば、「その株は買い(割安)」という判断ができます。

まあ、実際はこんなに簡単な話では当然ないですが、チラリと考えておくとこういうことになりますね。

本日のおまけコンテンツ

1929大恐慌は戻すまでに25年かかりました。

が、個人的には「これはさすがにイレギュラー」と考えています。

経済システムも、金融システムも、財政システムも、社会情勢(戦争)も、全てが違いますから。

ただし、確率0%かというとそんなことはないです。

米中戦争、空前の量的緩和策、対処不能の疫病未曽有の大災害など、不確定要素は永遠に尽きません。

なら、「株をやらない」という選択肢もあるのか?

機会損失を考えると、個人的にはそれもありません。

ではどうするのかというと、万一の破綻シナリオに備えた金融資産も持っておくべきと考えます。

具体的には、まずは「金」です。

これは言うまでもないと思いますが、太古の昔から価値が保証(保存)されているものです。

もうひとつ、「ビットコイン」も優秀だと考えています。

「仮想通貨」ではなく「ビットコイン」です。

これに関しては別記事でまとめるつもりです。

RELATED POST

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。