雑記

サラリーマン投資家の「投資・経済ネタ」備忘シリーズ②

この記事は、当サイト管理人の西守が「個別に記事にするほどではないが、役に立つこと」を雑多に書き記すページです(自分用)。

目次を見て、興味があるところだけでも。

シリーズ一覧はこちらからどうぞ(リンク)。

日銀とGPIFの日本市場におけるドミナンス

2019年6月末時点で

  • 日銀 約26兆円
  • GPIF 約38兆円

日本株式市場の時価総額(約584兆円)に対してのドミナンス(占拠率)は、

  • 日銀 約4.5%
  • GPIF 約6.5%

と、約11%となっています。

これが将来の売り圧になる可能性をどう考えるかで、日本株への投資の方向性が決まります。

個人的見解

GPIFは2030年ごろから年2~3兆円(対時価総額0.34~0.51%)前後の元本取り崩しが既定路線とされています。

ただし、GPIFは運用割合が

  • 国内株式25%
  • 海外株式25%
  • 国内債券25%
  • 海外債券25%

なので、実際に日本株式市場に与える影響は年5000~7500億円(対時価総額0.09~0.13%)程度と思われます。

これが毎年かかるのは、キツいと言えばキツいが、適切に経済成長さえできれば何とかなる範囲でしょう。

さらに、この売り圧が問題視されるようであれば、恐らく政府の圧力で日本株の運用割合が高められるはず(問題の先送りだが)。

日銀とともに株での運用というのは怖さがありますが、日本国債の金利がゼロ近辺である以上、株で運用するしかないので、これは仕方ないと言えば仕方ないです。

あとは、日銀破綻の可能性をどう考えるかとなりますね。

関連ページ:厚労省『財政検証』

「無担保コール翌日物」とは

日銀や金融政策について調べているときに必ず出てくるのが、かつては無担保コール翌日物を政策金利としていた、というような表現です。

しかし、日銀が市中銀行にお金を貸すときの金利である「公定歩合」と比べると、「無担保コール翌日物」はどうにもイメージが湧きません。

ここをしっかりと理解するには「金融市場」についての知識が必要です。

そもそも金融市場とは何なのでしょうか。

イメージが湧きやすいのは「株式市場」ですが、これは金融市場を細かく分けたときの1つに過ぎません。

「金融市場」をまず大きく分けると、次の2つになります。

  1. 長期金融市場
  2. 短期金融市場

これは扱う金融商品がどのくらいの期間の運用されることを想定しているか、で分類されます(一般に1年が分岐点)。

「長期金融市場」は「株式市場」と「債券市場」の2つに分かれます。

これらはイメージが付くでしょう。

一方の「短期金融市場」ですが、こちらは個人投資家にはやや縁遠いので、そのあたりが「無担保コール翌日物」が捉えにくい理由です。

「短期金融市場」は「オープン市場」と「インターバンク市場」の2つに分かれます。

「オープン市場」はその名の通り、金融機関以外の一般事業社にも開かれた(オープンな)市場、という意味で、イメージが付きやすいもので言うと、デリバティブ市場がここに当たります。

デリバティブとは

通常の株式やコモディティの原資産(現物)から派生した金融商品のこと。「先物」や「オプション」などが有名。限月と呼ばれる満期があるので、短期の商品となる。

そして、「オープン市場」と対をなす「インターバンク市場」は、その名の通り「銀行同士(金融機関だけ)の市場」ということになります。

ここに存在するのが「コール市場」です。

金融市場分類

長期金融市場

  • 株式市場
  • 債券市場

短期金融市場

  • オープン市場(デリバティブ市場など)
  • インターバンク市場(コール市場など)

コール市場では、金融機関同士が短期の貸し借りが行われています。

銀行などでは、経営的には問題なくても一時的な要因で現金が手元になくなることがあります(巨額の引き出しや融資など)。

そんなときに役に立つのがコール市場で、その中でもよく使われているのが「無担保コール翌日物」です。

これは読んで字のごとく、「無担保」で貸し借りできて「翌日」には返済されるもの、ということになります。

つまり「本当に一瞬お金が足りないから明日まで貸して」ということですね。

このときの貸し借りの金利を日銀がコントロールしていた、というのが「無担保コール翌日物を政策金利としていた」という言葉の意味になります。

ここで疑問が2つ浮かびます。

  1. 具体的にどうやってコントロールしていたのか
  2. 金融緩和が進み、日銀当座預金が溢れている今、「無担保コール翌日物」に需要はあるのか

1つ目の「コントロール方法」ですが、これは買いオペ売りオペで日銀当座預金残高を動かすという手法を採っていました。

今と比べると、昔は日銀当座預金残高も少なく(慣例的に法定準備預金額とほぼ同等にしていたらしい)、例えば買いオペで残高を増やせば、コール市場での調達需要は下がりました。

これが2番目の疑問にも絡んできます。

量的緩和が進むにしたがって日銀当座預金残高はまさに「異次元」に増えていくわけですが、実際コール市場の規模はかなり落ちていきました(残高30兆円以上→10兆円前後)。

ドルコスト平均法のデメリット2つ

「投資の王道」「誰でも確実」と言われることの多いドルコスト平均法。

僕自身、これに近い考えを各種ETF投資で導入していますが、一方で、決して万能ではないということも認識しないといけません。

個人的には2つの弱点を抱えていると思います。

弱点①:思考停止では使えない

上がると思うなら早めに買うべき

僕自身、仮想通貨にそれなりの資金を投じていますが、2017年にビットコイン投資を始めて来、一貫して言っているのが「仮想通貨では、ドルコストをするな」ということです。

当時、上がることがほぼ確実という手ごたえがあった、ということもありますが、1BTC=50万円くらいになるまでは、「買うならまとめて一気に買うべき」と繰り返していました。

実際に僕は10~30万円時代に計500万円ほど投入しましたが、これにより利益を極大化することができ、その後の株の運用にもプラスの影響を与えています。

このように下値を次々と切り上げていく強い展開では資金を一気につぎ込むのが正解で、ドルコスト平均法は悪手となります。

下がり続けるものには手を出さないべき

しかし、それ以上に最悪なのが、価値が下がり続けている(今後上がるか分からない)ものに、思考停止してドルコスト平均法で投資し続けるという手法です。

普通に投資していれば、資金を引き揚げたり、投資量をセーブしたりする判断ができるにもかかわらず、「ドルコストは安全だ」「この銘柄は絶対だ」と思考を止めてしまうと、取り返しがつかなくなる可能性があります。

今(2020年5月)で言うと、株ならいきなりステーキや大塚家具、仮想通貨ならXRPほか多くのコイン、と言ったところでしょうか(リップルは僕も保有しているので、頑張ってほしいですが……)。

これらはもちろんドルコストで投資し続け、最終的に報われるのならばデカいです。

しかし、元の目的を思い出してください。

あなたがドルコスト平均法で投資をするのは、「上げ下げする相場で、なるべくリスクを抑えるため」のはずで、イチかバチかのギャンブルをするためではないはずです。

もしギャンブル投資をしたいなら、ドルコストではなく、底値を探って一発勝負で資金をぶち込むべきです。

自分が、リスクを増やしたいのか減らしたいのかは、しっかり考えた方が良いでしょう。

これでお分かりかと思いますが、ドルコスト平均法は長期保有を前提とする投資手法です。

つまり、長期的に見て「資産価値が緩やかに上がったり下がったりしながら、最終的には確実に上がる」ものにしか使えないのです。

これはつまり、結局目利き力が必要ということになります。

なので、ドルコスト平均法だからと言って思考を停止させてしまうと、むしろ危険なのです。

しかし、これに対しては次のような反論があるでしょう。

  • そもそも、仮想通貨や個別銘柄にドルコストしてる時点でリスク管理がなってない
  • 日経平均やダウ平均……いや、さらに安定を取って、VTなど世界全体のETFへのドルコストなら間違いない

果たしてこれらの考えは、正しいのでしょうか?

弱点②:年を経るごとにリスクが増大していく

ETFと呼ばれる投資信託には、世界全体の株式の上げ下げに対応する商品があります(VT、ACWIなどが有名)。

これらの商品や、アメリカ市場にベットするVTI、IVVといった商品に投資することをインデックス(指数)投資と言い、安全で確実な商品と言われています。

これらのETFをドルコスト平均法で買っていくとどうなるか。

例えば65歳の定年に向けて、35歳から30年、毎月少しずつドルコスト平均法で積立てをしていくとします。

64歳の時点で、元本1000万円に対し、評価額が2000万円になっているとしましょう。

「老後2000万円問題」もクリアし、あとは換金して悠々自適なリタイア生活……

と思っていた、最後の1年。

もし、ここで世界恐慌が起き、世界の株価が軒並み50%ダウンとなれば一気に資産価値は1000万円に逆戻りします。

いやそれどころか、物価も上がっているでしょうから、実質マイナスです。

どれだけ順調に運用していても、最後の最後でひっくり返される可能性があるのです。

頭の良い方ならここで、

  • VTやVTIに投資して30年で2倍にしかならないのはおかしい
  • 最後の1年で世界恐慌になる確率は低いはずだ
  • 仮に恐慌になっても、上がるまで持ち続ければいい

といった反論があるかもしれません。

しかし、ここで言いたいのはそういう話ではありません。

(個人的にはこれらの懸念が全て的中する可能性も十分あると思いますが)今回言いたいのは別の危険性、すなわち「ドルコスト平均法は積立後期になるほど、市場の影響を大きく受けてしまう」ということです。

投資額が100万200万のうちは、評価額が半分減ろうが75%減ろうがいくらでも取り返せます。

しかし、積立後期に大ダメージを食らうと持ち直せない可能性があるのです。

しかもこれは何も恐慌レベルに限った話ではありません。

例えば、以下の例で考えてみます。

  • 毎年100万円を20年間積立(元本2000万円)
  • 【パターンA】前半10年が毎年5%プラスで後半10年が毎年5%マイナスの『前半好景気』型
  • 【パターンB】前半10年が毎年5%マイナスで後半10年が毎年5%プラスの『後半好景気』型

これをグラフで表すと次のようになります。

どちらも「毎年100万円積立」「10年好況&10年不況」という同条件ですが、時期がズレるだけで片や500万円の利益片や元本割れです。

元本が大きければ変動幅が大きくなるのは、ドルコスト平均法に限った話ではありませんが、このリスクをきちんと認識していれば、自分の資産運用プラン、ライフプランをしっかり組み立てられるはずです。

日本銀行の重要な3つの機能

「お金を発行する」という以外に、日銀には主に3つの機能が存在します。

  1. 銀行の銀行
  2. 政府の銀行
  3. 金融政策実行

これらをカンタンに確認していきましょう。

機能①:銀行の銀行

日銀には「当座預金口座」というものが存在します。

これは市中銀行などが保有する口座になります(個人は日銀に口座を持てない)。

「当座預金」を持っているのは、

  • 政府
  • 民間金融機関
  • 各国中央銀行
  • 国際機関

などです。

市中銀行などは、この当座預金を使って引出や預入あるいは他銀行との決済(送金)を行います。

日銀が市中銀行から国債を買い入れるとき、日銀が刷ったお金(原資)はこの当座預金口座にぶち込まれます。

機能②:政府の銀行

政府が持つ当座預金口座のことを「政府預金」「国庫(金)」と言ったりします。

政府の当座預金に入ってくるお金が「歳入」です。

例えば税金(国税)や社会保険料です。

逆に出ていくのが「歳出」で、公共事業費や年金などです。

この出納に関する事務的な管理機能のことを「政府の銀行」と言います。

国債に関する事務業務も含みます(発行、利払い、償還など)。

さて、ここまで見た機能①と②(「銀行の銀行」「政府の銀行」)に関しては、人によって特に見解は別れません。

大事なのは3番目の「金融政策実行」となります。

日銀が実行している金融政策の評価が「日銀破綻派」「リフレ派」「MMT派」の分かれ目になります。

機能③:金融政策実行

日銀が担う金融政策の大目標は

物価の安定=緩やかなインフレ

です。

なぜなら物価が安定することで、経済活動が高位安定するからです。

ただし、「過度なインフレ」「デフレ」は×。

昔はインフレが続いていたので、それを抑えるのが主目的でしたが、今はインフレさせるのが目的に変わっています。

金融政策の変遷

昔は「公定歩合の上げ下げ」でした。

公定歩合とは、金融機関への貸出金利のことです(銀行の銀行)。

これをコントロールすることで景気を調節していたのです。

途中(90年代後半)で操作対象が「無担保コール翌日物」に変わりましたが、本質は同じです。

しかし、バブル崩壊後の不況で金利を下げる余地がなくなり、2000年代からは量的緩和で「日銀当座預金残高」が政策目標になりました(世界初)。

これを操作することを「オペレーション」「オペ」「公開市場操作」などと言います。(例:買いオペは日銀が市中銀行から国債などを買うこと。これにより各銀行の当座預金残高が増える)

一時解除されるも、リーマンショック・欧州危機を経て、2010年代に「異次元緩和」で復活(というか強化)しました。

現金流通+当座預金残高の「マネタリーベース」が政策目標。

「異次元緩和」を進化させた「量的・質的緩和」では、それまでセーブしていた長期国債・新発国債も爆買い(ルール撤廃)しました。

また、国債だけでなく、ETFやREITも爆買いしました(これらが質的と言われるゆえん)。

今は、政策金利残高への適用金利(当座預金の金利、という認識でOK)がターゲットになり、「マイナス金利」も実現されましたが、異次元緩和も続いている現状は変わりません。

また、長期金利もマイナスになった影響を受け、長期国債買い入れで長期金利を政策目標として誘導するようにもなりました。

これまでコントロールできないとされていたので、これも異例のことです。

あらためて、大まかに金融政策の現代史を確認するとこんな感じです。

金利の上げ下げのことを「伝統的金融政策」と言いますが、良い悪いはさておき、日本は率先して「伝統的金融政策」の先頭を走っています。

こうして見ると、日銀の政策はその場その場では最適解(というか、当たり前だが景気を良くしようとはしている)なのですが、長期的視点で見ると「引き返せない片道切符」だったようにも見えます。

(その他記事は随時更新)

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